いつかは、これを柱の一つにしようと目論んで、コツコツ一人で自主研究を進めている「ゾーン」について、先週の研修講師中に受講者に一部を紹介したところ、予想外に盛り上がった。
「ゾーン」っていうのは、簡単に言うと、人が自分が想定できる以上の優れたパフォーマンスを発揮する状態のことを指す。「ピークパフォーマンス」とか「フロー」と言った言葉もその仲間にあたる。
この言葉は、主にアスリートのパフォーマンスを紹介する際に用いられるので、自分もどちらかと言うとアスリートの状態を中心に色々とネタを集めていたのだが、どうやら、演奏家の間でも結構ありそうな現象らしい。
先の研修クラスでもクラッシク音楽の演奏経験者が何人も興味津々で追加の話を聞きに来てくれた。
どうやら、自分が説明した「ゾーン」時の特徴的な心身状態が、演奏時において良く起こるものらしい。
「エッケイさんが説明した状態は、まさに演奏家が調子のよい時にどうなるかと言う際の説明とかなり似ていますよ」と教えてもらった。
事例もいくつか収集できたがなかなか面白いものがあった。
「主旋律以外の音がクローズアップされてくる」
「混ざり合った音がパート毎にバラバラに、明確に認知できる様になってくる」
「自分に関係のある音は明確に感じ取れるが、それ以外の雑音は一切聞こえてこない」
「目は指揮者を見ているが、オケのメンバーの動きや息遣いなどをはっきり体感できる」
等々
うーむ。素晴らしい。。まさにゾーンの特徴と合致している。
今まで主にアスリートからネタを収集していたのだが、調査対象として演奏家を多く組み込むと良さそうだ。ゾーンの感覚がわかるアスリートよりゾーンの感覚を知っている演奏家の方が割合が多そうな感じだ。
まさか、企業の研修でこんな良いヒントを得られると思わなかった。
(でも知的好奇心の高い連中との会話は本当に面白いねぇ。。みんな目キラキラして会話を楽しんでたよ。ああこんな会話で人生を溢れさせたいもんだ)
いずれはこれをビジネスに応用できる様に、ソリューション化なりコーチング技法なりに落とし込みたいんだよなぁ。手が届く距離にきている気がするんだよなぁ。
4 件のコメント:
初めまして。江崎と申します。
ゾーンの話題がおもしろかったのでコメントさせていただきます。
自分は格闘技をやっていたのですが、「入った」時、全ての事象がクリアに受け取れて、コマ送りのように見えます。
目の前の相手の全ての動きを知覚できて、勝手に体が動く状態になります。
ゾーンが解けた後そのときのことを振り返ると、周囲の風景が一枚一枚写真のように頭の中に入っていたことを思い出します。
自分はゾーンという言葉を知らなかったので「踊るような感覚」と表現していましたが、きっと「集中したその先」のことなんでしょうね。
江崎さん、初めまして!
おーっ格闘をやっていた方の情報は無かったんでありがたいです。
分析的な描写、鋭いですね。
江崎さんの記述はゾーンの特徴の多くと一致していますよ。
・視覚の歪曲(コマ送り)
・時間感覚の歪曲(コマ送り)
・俯瞰的感覚(全ての動きを知覚できて体が勝手に動く)
・集中モード→無意識モード(集中したその先のこと)
解けた後の記憶の特徴の話は新鮮ですね。
実はゾーンって自分でスィッチを作って意識的にそのモードを発動できたりしますよ。
上記の特徴はその有効なヒントになると思います。
うーん。いい話ありがとうございました!
また情報交換しましょう!
ゾーンって、「なにやっても入れないときは入れない」「そもそも、入れない人は入れない」気がするのですが、本当にスイッチを作って意識的に入れる物なのでしょうか?
心技体の「リズム」が何かの拍子にピタリとあったときでないと入れないと思うのですが、これは教えてどうにかなる物ではなくて、「結果的にゾーンだった」経験を持っている人同士でないと通用しない世界の会話であるように思うのですがいかがでしょうか。
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こういう、感覚的な物・・「できる人はできるけど、できない人はできない」ものって、伝授するのは難しいですよね。
世に言う「奥義」が、一編の詩歌になってたりするのもわかる気がします。
正直言って「必ず外さず入れますよ」というほどのレベルは私にはないです。「近いレベルに到達させる」、「入る確率を高く上げれる」ことはできます。
結構、面白いアプローチテクニックありますよ。
「そもそも入れない人は入れない」という意見はほぼ同意見です。(私の師匠格はそれもやり様によってはできると豪語していますが。。)
私はその人が元々持っている体験(リソース)を再利用する方が再現性高いと今は思ってます。
主観的なものを言語化したり方法論化するのって難しいですよね。
このゾーン関連のコーチングについてアメリカにはかなりの腕利きがいるそうです。噂だとコーチングセットが億円レベルだそうです。
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