2010年2月24日水曜日

ある会社のミドルリーダーの言ったこと



この間、ある会社で部下育成意識の高い管理職数人と人事部の方とともに意見交換をしました。

昨今は、チームの業績、プロジェクトの管理、部下の評価、一人のプレイヤーとしてのパフォーマンス、膨大な事務処理(やらなければいけないと誰かに抱かされた仕事)、(+この経済局面の打開も?)等々の役割をしょわされ、そして育成責任と、アンフェアと言ってもしょうがない位きつい状況にあるミドルリーダーの方々ですが、

さすが、育成に意識の高い方々だけあって、なかなか良い情報の交換ができました。

その中でも、あるリーダーが最後にいった一言が、頭にずーっと残っています。

「意識の低い奴(ミドルリーダー)には、育成をさせて欲しくないんです。」

ともすると、最近のミドルリーダーにとって育成はやっかいなノルマとして感じられている事も多いんで、この発言にはしびれました。


今、企業組織に限らず部下の育成に関する意識や行動には本当にばらつきがあり、それにより部下の育ち方のばらつきもすごいことになっています。

(ちなみに成長を支援してもらう方の責任はここでは置いておきますね。)


部下の成長支援を本気でやっている人なら、この発言に深く同意できると思います。

本気でサポートしていた部下が、あるタイミングで、ぐっと成長して、面構えが精悍なものになる(女性で精悍っていうのもなんだな。。「充実感と自信に溢れた表情」の方がいいかも(笑))、そういった瞬間に立ち会える喜びって最高ですよね。

大変だけど意義の深い仕事じゃないかと思います。

こんな発言ができるその人も、人として良い成熟段階に入っているんでしょうね。


2010年2月22日月曜日

演奏家のゾーン


いつかは、これを柱の一つにしようと目論んで、コツコツ一人で自主研究を進めている「ゾーン」について、先週の研修講師中に受講者に一部を紹介したところ、予想外に盛り上がった。


「ゾーン」っていうのは、簡単に言うと、人が自分が想定できる以上の優れたパフォーマンスを発揮する状態のことを指す。「ピークパフォーマンス」とか「フロー」と言った言葉もその仲間にあたる。


この言葉は、主にアスリートのパフォーマンスを紹介する際に用いられるので、自分もどちらかと言うとアスリートの状態を中心に色々とネタを集めていたのだが、どうやら、演奏家の間でも結構ありそうな現象らしい。


先の研修クラスでもクラッシク音楽の演奏経験者が何人も興味津々で追加の話を聞きに来てくれた。


どうやら、自分が説明した「ゾーン」時の特徴的な心身状態が、演奏時において良く起こるものらしい。


「エッケイさんが説明した状態は、まさに演奏家が調子のよい時にどうなるかと言う際の説明とかなり似ていますよ」と教えてもらった。


事例もいくつか収集できたがなかなか面白いものがあった。


「主旋律以外の音がクローズアップされてくる」


「混ざり合った音がパート毎にバラバラに、明確に認知できる様になってくる」


「自分に関係のある音は明確に感じ取れるが、それ以外の雑音は一切聞こえてこない」


「目は指揮者を見ているが、オケのメンバーの動きや息遣いなどをはっきり体感できる」


等々


うーむ。素晴らしい。。まさにゾーンの特徴と合致している。


今まで主にアスリートからネタを収集していたのだが、調査対象として演奏家を多く組み込むと良さそうだ。ゾーンの感覚がわかるアスリートよりゾーンの感覚を知っている演奏家の方が割合が多そうな感じだ。


まさか、企業の研修でこんな良いヒントを得られると思わなかった。


(でも知的好奇心の高い連中との会話は本当に面白いねぇ。。みんな目キラキラして会話を楽しんでたよ。ああこんな会話で人生を溢れさせたいもんだ)


いずれはこれをビジネスに応用できる様に、ソリューション化なりコーチング技法なりに落とし込みたいんだよなぁ。手が届く距離にきている気がするんだよなぁ。


2010年2月14日日曜日

キャリアのスタンス


この間、ある会社の幹部の方と話をしていた時でした。


(その方、かなりいい仕事人と思われ、毎回ナイスな発言をされるので楽しみにしています)


その時に面白かったのは、私が、その方に、


「ご自身がキャリアを歩んできて、良いキャリアを築くコツって何だと思いますか?」


と質問したところ、その方は、暫し頭を張り巡らしてから、こうおっしゃいました。


「うーん。そうだねぇ。考え抜くことと、自分が仕事する上での判断軸をぶらさないことかな」

(↑多少言葉をいじってます)


これは、キャリアデザインでは、王道な言葉なのですが、なんせ理屈だけでなく実践を通してそういう生き方を体現してきた方ですから、これ幸いと追加質問をさせていただきました。


「その拠って立つ仕事の軸っていつ位にできましたか?まさか入社時から持ってたってことは無いですよねぇ?」


「はは、そんな立派なもんじゃないですよ。うーん。そうだなぁ。入社して10年位はかかった気がするなぁ。それも単に自分で考えついたわけでもなくて、仕事を通したり、お客さんや上司先輩の生き様に触れたりして徐々に出来上がった気がしますね」


かなり自分も共感しました。


通常、キャリアデザインでは、その人が持っている、「動機要因(活性化ポイント)」・「能力」・「価値感/信条(軸・スタンス)」の3つのポイントをヒントにして考えていきます。
ただ、この3つのポイントは、あんまりよろしくない本や研修では「この3つは重要」とか「この3つでプランニングしていきましょう」と平坦に唱えられるだけですが、案外、くせ者で、人の個性や成熟段階、キャリアの節目等によって、つけるべきフォーカスポイントだったりメリハリがかなり違います。そしてそれを考慮しないと良いキャリアデザインにならないことが多いです。


そういう事で、この「スタンス」というやつ、キャリアにかなり重要なのですが、何気に扱いが難しいものだったりします。


時間がかかるんですよね。その人の中で確立するのは。。(ちなみに、一生確立しない人もいます。ゆがんだスタンスに陥る人も山のようにいます)


そして、実際の仕事を通してしか獲得できないです。(だから、学生向けのキャリアワークショップではこの部分について変な問い方をしない方が正解だと思います。いいバイトやいいインターンした人はよいものを持ってたりしますが)


さらにさらに、ただ単に確立すれば良いかっていうとそうでもなく、タイミングタイミングでちゃんと作って、そして今度はそれを壊して再構築して新しい良いものにしていくって性格なんです。


上のほうで出てきた方の時間感覚ではこの確立に10年位かかったとの事です。

全ての人が10年かかるかそれ以上になるかはわかりませんが、

「キャリアのスタンス」は時間をかけて確立されるものなのだと考えていくのがポイントでしょう。


今、自分のキャリアの方向に答えが出なくて悶々している若手社員の方々に紹介しておきたい話だなぁと思いました。


2010年2月8日月曜日

課長


なんのことかわからん題名ですね(笑)

自分としてもどんな題にしたら良いか思いつきませんでした。


私は入社した際、会社組織や当時の仕事文化に溶け込むことが出来ず、相当苦労した経験があります。(いわゆるエントリーショックっていう節目をうまくクリアできなかったわけです)


その際にその最も象徴的な存在だったのが当時の課長でした。


その課長は仕事と肉と酒が大好きな人でした。


私は慣れない文化、ハードな労働環境、SEというキャッチアップしにくい仕事でめちゃくちゃにイライラしていましたから、よくその課長にケンカをふっかけておりました。


「課長、なんすかこの職場は?こんなひどい職場は聞いたことも無いです。おかしいんじゃないんですか?」


「んー、そうか?俺は仕事好きだぜ。」


「俺はこんな仕事ありえないと思いますね。みんな不幸じゃないですか」


「いや、俺はおまえを認めてないしさ。そんな奴の話を聞く気になれないね」


「。。(ぎりぎり)」


と言うような会話が飲み屋で繰り返されていましたっけ。


そんな課長は私が入社した年度の末に職場で倒れてお亡くなりになりました。


この事件は私の仕事観に大変大きな影響を与えました。


「当時の悪の象徴の様な存在が自分が好きだと言っていた仕事に殺された。」


強烈なブラックジョークとして私の中では解釈づけられました。

その他にも、ここでは語れないようなキャリアのブラックな側面に関する見解が私の辞書に大量に書き込まれました。

それは長い間、私と仕事の関係性に大きな影を落としていました。


幸いにも、その後にいい仕事やいい仕事仲間にめぐり合い、自分のキャリア観も成熟して、仕事との関係は徐々に回復していくことができました。


でもあの課長の存在は自分にとって反面教師として残り続けました。ついこの間までは。。


最近、彼と言う存在の定義が自分の中で微妙な揺らぎを生んでいます。



当時は、未熟なキャリア観で彼を断定的に評価していましたが、

少なくとも彼は「仕事が楽しい」と言い切っていました。


これだけ仕事人生を生きてくると、「仕事が楽しい」と断言する40過ぎの大組織のサラリーマンはそんなに多くいない事くらいわかってきます。


そういう人に、いまの私が何の先入観を持たずにお会いしていたら、非常にほほえましく感じていたでしょうし、「その年でそこまで断言させる仕事の魅力って何なんですか?」とチャンスがあればお聞きするのは間違いないでしょう。


当時の先輩は飲みながら、「あの人、あれはあれでいいところもあったし、それなりに魅力もあったんだぜ」とやさしく諭してくれもします。



この間、シャワーを浴びていたら、突然、


「そもそも、1年も付き合わなかった大嫌いだった人を自分はなぜこんなにも長い間自分の心に残しているんだろう?これって意味の深いことなのかもしれない」


と頭に浮かんできました。


彼がお亡くなりになった年に自分がもうまもなく到達しようとしています。

2010年2月1日月曜日

四年目突入!


気がついたら、独立して4年目に突入をしておりました。


この3年、無事におくることが出来ました。


色々な形で良いお付き合いをさせていただいた方に本当に感謝です。


キャリアデザインでは、自分のキャリアを考える際に、


人とのつながり方にフォーカスをするとその人の個性がよく見えるので、


それをヒントに考えると良いと言われていますが、


本当に人とのつながりが意味することは大きいと、この3年は痛切に実感することが多かったです。


これからも、本質的な価値を提供できるようにがんばります!



さて、今年の抱負を語っていませんでしたが、


といっても、抱負とまで言えるほど構えて考える気になれない自分がおりますので、


今年の向いたい方向性を少し挙げておきます。

4年目はこの2点でがんばりたいと思います。


①満足度追求からクライアントの行動変容にこだわりたい


この3年は、なんやかんや言っても、プレッシャーがかかっていたせいでしょうか。

どうしても研修やファシリテーション等の満足度にこだわってしまう自分がいました。


ただ、最近どうしても気になってしまうのは、


「自分の提供したものによって、その人は、一過性の満足や刺激ではなく、本当に満足のいく人生に向って一歩動き出しているんだろうか」


ということなのです。


この3年の学びからの私見では、


クライアントの満足度を上げるのはテクニックで可能。それにクライアントの行動変容によい影響を与える可能性もある。でも「過度な満足感だけの追求はかえって本質的な価値提供を劣化させる」気がしてならないです。


一回きりのソリューション、コーチングと言ってもたかだか数回のセッションで、クライアントの持続的な行動に何かをもたらしたいというのはある意味不遜で無謀とも考えられますが、できればそこを強く意識していきたいと強く思っています。


②非利き手の研鑽ではなく、得意技を磨き上げる方向でがんばる


昨年はあえて、利き手と違う仕事やスキル研鑽にいそしみ、本当に疲弊したので、今年は自分の得意技を極めていく方向で取組んでいこうと思います。エッジ利かせた人生でいきたいですねぇ。


③経験値をソリューションという形でまとめておきたい


ここまでこだわってやってきたものを自分なりのソリューションとして明確な形にしておきたいという衝動が強くなりましたので、できればここにもチャレンジしていきたいと思ってます!結構ユニークなものができるのではないかと自分に期待してみます。


という感じでしょうか。


変にプレッシャーにまみれたがんばりではなく、


「遊ぶように楽しみながら仕事していきたい」と思います。


本当の遊びはまじめに真剣だからこそ面白くなるもんですからね。


感覚のどこが一番鋭敏?



仕事の同僚と雑談をしていた時に、

たまたま、双方NLP経験者だったためか、

「五感のどこが鋭敏か?」 という話になった。

たまたま、その同僚の嗅覚が鋭いと感じることがあったので、
そのことを同僚にふって、話をしていたら、その同僚、

海の匂いを何種類も別な感覚として分けて記憶に留めているらしい。

正直、自分にはその発想は全く無かったのでかなりびっくりした。


自分はせいぜい潮臭いと感じる海と、あまり臭わない海しか感覚的に区別がなかった。
イヌイットは雪の色の表現に何種類もボキャブラリーを持っていると聞いたこともある。
世界中で比較すると虹の色の数も違うらしい。

人は他人も同じ映像、音、体感、臭い、味覚をしていると思い込みがちだが結構違いは大きい様な気がする。

話は戻るが、同僚の話を聴きながら、
さて自分は一体、どの感覚が人と比較して鋭敏と言えるだろうか?と思った。

聴覚は正直弱い。

体感覚は。。普通かな。。

嗅覚はまずまずだが匂いに敏感な方にはかなわない。。
(知り合いのすごい人はエレベーターの残り香で特定の人が何時間前にいたか当てられるからね)
味覚はうるさいと言われることは良くあるが、利き酒、香辛料当て、天然モノ当てといった類の勝負にはおっかなくて乗れない。

視覚が強いが、ビジュアルに鋭敏かと問われれば「YES!」とは言い切れない。せいぜい軽くこだわる程度。


さて困った。自慢の五感が一個も無い。

考え考えてひねり出したのが、「言語」。これにはかなり敏感だと思う。ちょっと自信はある。
そもそもこんな商売をしていることからしてそうかもしれない。

同僚にあれこれと例を出して説明すると「そんなのは俺は全然意識しないなぁ」と言われた。
でも、さて、これは五感と言えるのだろうか?


聴覚?いや音には弱い。リズムタップでの出来の悪さを考えると聴覚が鋭敏とは言えない。

でも、まぁ五感と言えども感じる場所は脳なわけだから、入力器官じゃなくても五感と言ってもいいかもね。

なーにが言いたかったんだろうね。自分は。。


感覚に関する感覚の重要性って感じでしょうかね。。


うーむ。言語に鋭敏とも言えないか(笑)