この間まで講師をしていた研修は、
受講者間のディスカッション演習が非常に多くそれが学習効果に大きな影響を及ぼす構造になっていた。深い気づきや良い発見、アイデアを起こすのには(質を手に入れるには)、ある一定の活発な意見交換(量)は必要不可欠ということだ。
ところが自分の受け持ちのクラスは出だしからおとなしかった。そしてなかなか場は暖まらなかった。
ちなみに今回の研修はキャリアデザインがテーマではあるが、コミュニケーション力向上の基礎的なものが組み込まれていた。「伝える力」と「聴く力」がそのテーマだった。「伝える力」は初日のコンテンツだったが、二人で組んで相手に伝わることをきちんと意識して相互でディスカッションをしてもらうという内容だ。
クラスは初日の「伝える力」セッションをしてもあまり暖まらなかった。
「まずいなぁ。このままではこの研修の効果が低くなってしまうなぁ」
色々とジャブを打っても返りが悪い。自分は顔には出せないものの内心困っていた。
そんなクラスの場が二日目のある時に急に暖まる。
「聴く力」のセッションの時だ。
コンテンツの構造は「伝える力」と同じ。二人で組んで、相手の話をきちんと受け止めて聴くことを意識して相互でディスカッションをしてもらうという内容。
「伝える力」を意識するか、「聴く力」を意識するかだけの違いなのだが、「聴く力」を意識した時の方がクラスの会話量が圧倒的に上がっていた。この現象は正直想定外だったので相当驚いた。
普段コミュニケーションを教えるときに「話す力より聴く力の方がパワフルですよ」と言ってはいたもののこういった効果を目の当たりにしたのは初めてだったので非常に収穫だった。
やっぱり実践は学ぶこと多いなぁ。
2 件のコメント:
なーるほどー。
そうだねー、相手が聴くスタンスを取ってくれて初めて会話があったまるもんねぇ。
はやけんさん
そうなんですよ。話させることに意識を向けるより聴くことに意識を向けさせる方が議論が活発になるってパラドックスっているけど本質で面白いですよね。
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